2014.02.22
▲鬼瓦 「桃面」
▲鬼瓦 「邪鬼とそれを押さえつける鬼」 ~側面
▲鬼瓦 「邪鬼とそれを押さえつける鬼」 ~正面
大垣城よもやま話 その3
「雨水」もすぎ、2月も下旬に入りました。桜はまだまだですが、梅の便りはあちこちから聞かれるようになりましたね。今回の「よもやま話3」は大垣城の瓦のお話です。併せて、大垣公園の桜の様子もお知らせします。
大垣城の「瓦」
~「桃」と「邪気を踏みつける鬼」
2009年から2年間かけて行われた大垣城修復工事で、
天守と乾隅櫓の屋根瓦およそ4万3000枚がすべて新しいものに葺き替えられました。
今回の修復のテーマは安全性の確保はもちろんのことですが、「できる限り焼失前の国宝時代の姿に戻す」ということでした。今回の改修で、すべての瓦が元の形・大きさ(国宝時代)に戻りました。また、昭和34年の再建時、35ある鬼瓦はすべて「桃」になっていましたが、今回焼失前と同じ「桃面21、鬼面14」としました。桃は邪気を払う力があるとされ、鬼瓦に使用されていたのですね。もちろん天守鯱瓦も焼失前の国宝時代の姿に戻っています。
ところで、「桃面」(写真)の鬼瓦も珍しいのですが、もっと珍しい鬼瓦が三層南西隅棟に取り付けられました。なんと「邪鬼とそれを押さえつける鬼」(写真)の形の鬼瓦です。
今回、焼失前の写真や古絵図を参考に忠実に復元しました。全国の城郭を見ても、このように「邪鬼と鬼」を使用した事例は知られていないようです。
外に出られましたら、天守の屋根を見上げてみてください。「邪鬼と鬼」は天守三層という高いところのため細部を見ていただくことは困難かもしれません(目のいい方は見えるかも・・・)が、「桃」はいくつか目にしていただくことができると思います。